自筆証書遺言書保管制度

令和2年7月10日から「自筆証書遺言書保管制度」が開始となり、法務局で遺言書を保管してもらうことが出来るようになります。 そのため、同年7月1日から、この保管申請についての日時の予約が出来るようになりました。

 


遺言書保管法

遺言書保管法

(正式名称:法務局における遺言書の保管等に関する法律)

平成30年法律第73号

成立日 平成30年7月 6日

施行日 令和 2年7月10日

概要

自筆の遺言書は、存在を気付かずに遺産分割や相続手続きが済んでしまったり、本人が書いたものかの争いが生じたり、あるいは、紛失や滅失、廃棄・隠匿・改ざん、などの恐れがあるということから、相続に関するトラブルを予防するために、平成30年7月6日に「遺言書保管法」が成立し、令和2年7月10日に施行となりました。

申請先

遺言書の保管申請を行うことの出来るのは

  1. 遺言者の住所地
  2. 遺言者の本籍地
  3. 所有する不動産の所在地

いずれかを管轄する遺言書保管所(特定の法務局)です。

 

遺言書の保管申請は、原則として申請日に即日処理となりますが、事前の予約が必要となります

(ネット上で予約可)。

 

ネット予約申請URL :

 https://www.legal-ab.moj.go.jp/houmu.home-t/top/portal_initDisplay.action

 

【全国の法務局(遺言書保管所)一覧】

  http://www.moj.go.jp/content/001322714.pdf

必要書類

  1. 遺言書(封筒は不要です。)
  2. 申請書(法務省ホームページからダウンロード又は法務局窓口で入手できます)
  3. 添付書類(本籍の記載のある住民票の写し等:発行から3ヶ月以内のもの)
  4. 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、パスポート、等)
  5. 手数料(1通につき3900円)

予約した日時に遺言者本人が法務局に持参する必要があります。

遺言書について

用紙はA4サイズとする。

縦置き・横置き、縦書き・横書き、等の向きは自由です。

各ページにページ番号を記載すること。

用紙の片面のみに記載すること。

数枚にわたるときであっても、ホチキス等で、とじ合わせないこと。

様式中の破線は、必要な余白を示すものであり、記載は要しない。

保管期間

「遺言書」は、遺言者死亡の日から50年、遺言者の生死が明らかでない場合は、遺言者の出生の日から起算して120年保管されます。

「遺言書に係る情報」は、遺言者死亡の日から150年、遺言者の生死が明らかでない場合は、「遺言書」と同じく遺言者の出生の日から起算して120年保管されます。

閲覧請求など

<遺言者本人>

遺言者は、保管されている遺言書について、いつでも、その閲覧を請求することができ、また、遺言書の保管の撤回をすることができます。

いずれも、当該遺言書が保管されている遺言書保管所に対して行うこととなります。

モニターによる遺言書の閲覧の場合は全ての遺言書保管所で可能です。

<相続人等>

遺言者の死亡後は、遺言者の相続人、受遺者等は、遺言書の画像情報等を用いた証明書(遺言書情報証明書)の交付請求及び遺言書原本の閲覧請求をすることができます。

遺言者の生存中は、遺言者以外の方は、遺言書の閲覧等を行うことはできません。

遺言書の原本の閲覧を行う場合は,当該遺言書が保管されている遺言書保管所に対して行うこととなります。

モニターによる遺言書の閲覧,遺言書保管事実証明書の交付及び遺言書情報証明書の交付の各請求を行う場合は,全ての遺言書保管所で可能です。

メリット

  • 公正証書遺言と同様、家庭裁判所における「遺言書検認」の手続きが不要となります。
  • 遺言書を紛失したり発見できないという事態が回避できます。
  • 生前に発見されて遺言内容が相続人等に知られてしまったり、遺言書の偽造・変造・破棄・隠匿という心配が回避できます。
  • 様式の不備によって遺言に無効となることが避けられます。

注意点

遺言書原本の現物を預け入れるものであり、法務局では、遺言書の文案や書き方についてアドバイスは出来ませんし、遺言の内容についての審査もしておりません。

保管の事実は通知されないため、相続人又は受遺者が遺言保管の有無を照会しなければ、遺言書の存在が知られずに相続手続きされてしまうおそれがあります。

遺言に関する基礎知識

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